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平日朝、西尾駅7時20分発(普通弥富行き)の列車の変遷
<令和元年(2019年)9月15日更新>

 平日朝ラッシュ時の1列車に焦点を当て、過去からの変遷をたどってみるネタの第2弾です。今回は西尾駅7時20分発普通弥富行きを35年前の昭和59年(1984年)改正から見ていきます。この列車は現在、西尾駅での折り返し乗車ができる列車ということで、折り返し乗車をする価値のある列車かどうかに着目して紹介したいと思います。それでは、ご覧ください。


 西尾駅ですぐ折り返す列車。

 西尾駅に7時18分発の急行西尾行きが到着です。

 この列車は折り返し西尾駅7時20分発の普通弥富行きになります。今回は、この列車の歴史をたどります。

 この列車の西尾駅の停車時間はわずか2分。そのため席を確保するための折り返し乗車が可能です。これは吉良吉田駅から西尾駅までの各駅から先発する普通岐阜行きに乗車し、桜町前駅で降りて急行西尾行きに乗り換えることにより、普通弥富行きの席を始発駅より先に確保するものです。もちろん、桜町前駅の利用者が急行西尾行きに乗ることも可能ですし、米津駅からの利用者もいるかもしれません。

 普通弥富行きは新安城から急行に変わり、名古屋まで一番早く到着します。座って行けるなら、こんな魅力的な列車はありません。しかし、過去からずっと名古屋直通で便利な列車だったというわけではありません。そこで、今回は折り返し乗車をしたくなるような利便性の高い列車かどうかに着目し、過去からの流れをみてみたいと思います。

 ちなみに、桜町前駅や米津駅からにせよ、西尾駅以南の駅からにせよ、ルートが重複する区間間の定期券を持っていないと、折り返し乗車はキセル乗車となりアウトですので注意してください。それでは、35年前の昭和59年(1984年)からスタートです。


 普通新安城行きの時代

 昭和59年(1984年)3月改正時の当該列車は、西尾駅を7時23分に発車する普通新安城行きでした。今と同様に西尾駅7時20分着の急行西尾行きの折り返しかどうかは不明ですが、たとえ折り返し乗車が可能であったとしても、新安城駅までしか行きません。

 そして名古屋へは新安城駅で急行新岐阜行きに乗りかえでした。しかし、西尾線の後続列車である西尾駅7時32分発の急行でも新安城で同じ列車に乗りかえが可能で、さらに乗りかえた急行新岐阜行きは堀田で西尾駅7時48分発の特急新岐阜行きに追い越されます。そうなると、西尾線の急行停車駅から名古屋方面に向かう人は今回の普通新安城行きを使うことがなさそうです。普通停車駅の利用者だけのための列車だったと思われます。

 その後、新安城から乗車する急行は、昭和62年(1987年)2月の改正で西尾線からの特急に抜かされなくなり、平成2年(1990年)10月の改正で新安城駅の接続が良くなり、西尾線で後続する急行より早く名古屋に到着できるようになりました。しかし結局は普通新安城行きなので、やはり折り返し乗車するほど魅力的な列車ではないように思います。

 と、ここまで書いておいて何なのですが、そもそもこの頃の桜町前駅は普通停車駅なので急行が止まらず、折り返し乗車はできません。いやはや、何とも無駄な時間を。すみません。


 第1次折り返し乗車時代

 さて、平成4年(1992年)11月のダイヤ改正で西尾線の普通新安城行きが名古屋直通列車になりました。特記事項は『新安城から急行、前後、中京競馬場前、有松停車、鳴海から普通』ということで停車駅は多いですが、名古屋まで一番早く到着します。

 そして、平成5年(1993年)8月12日。ダイヤ改正とともに桜町前駅が急行停車駅に格上げされました。西尾高校への通学利用を考慮し、生徒会からの要望に応える形での格上げです。ということで、ここに来て折り返し乗車の条件が整いました!

 そして、第1次折り返し乗車時代が到来します。特別停車駅が多く、鳴海から普通になるため昼間に比べて時間がかかりますが、既に紹介している西尾7時07分発の列車と同じくらいの所要時間であり、当時の朝ラッシュ時の列車としては充分利用できる列車です。座っていけるのであれば、なおさらです。

 当時の様子を見てみましょう。写真は平成10年に撮影した桜町前駅です。画像が荒いですがご了承を。先発の普通弥富行きの発車後、ホームに並ぶ乗客が増えています。並んでいる方々は、折り返し普通新岐阜行きになる急行西尾行きに乗車しました。


 誰も折り返し乗車をしない時代

 平成11年(1999年)12月のダイヤ改正から知立駅で一部特別車の特急新岐阜行きに乗りかえたほうが10分早く新名古屋駅に到着するようになりました。また、西尾からも乗車できる蒲郡と伊奈始発の急行御嵩行きにも本笠寺で追い越されるようになりました。とはいえ、そのまま乗りかえない場合でも所要時間はダイヤ改正前から2分遅くなっただけなので、座りたい!という思いが強い方なら、まだまだ折り返し乗車をしようと思うかもしれません。

 しかし、平成12年(2000年)3月改正で西尾駅から終点の新岐阜駅まで全区間普通列車で運行されるようになってしまいました。さすがに名古屋まで全区間を普通列車で行く気にはなりません。この改正を機に今回の列車で西尾駅の折り返し乗車をする人は居なくなりました。

 写真は平成21年(2009年)の桜町前駅です。先発の普通犬山行きが停車していますが、桜町前で降りてホームに並んで急行西尾行きを待つ人は一人もいません。

 写真は急行西尾行きの折り返しの普通岐阜行きです。行先の幕が『岐阜』までぐるぐる回る中、発車時刻が迫っている様子が写っております。ちなみに、この写真も使われた、西尾から岐阜まで乗り通したネタはこちらです。


 再び訪れた折り返し乗車時代

 さて、左の写真は駅で配布されたダイヤ改正の周知のチラシです。平成23年(2011年)3月改正では平日朝のダイヤにメスが入り、名古屋本線など全線に渡って大きく変わりましたが、西尾線内のダイヤはほとんど変わりませんでした。今回紹介している列車も同様で、西尾線内は変わらず、行先と新安城から先の名古屋本線の運行形態が大きく変更されました。

 普通岐阜行きは弥富行きとなり、新安城から先の名古屋本線は急行になりました。

 写真は新安城駅を発車する8両編成の急行弥富行きです。乗りかえ無しで、名古屋まで一番早く到着します。

 ということで、第2次折り返し乗車時代が到来しました。そして、現在に至ります。写真は平成24年(2012年)に撮影した桜町前駅です。西尾駅で折り返し普通弥富行きになる準急西尾行きに乗車をするために、普通岐阜行きから多くの人が桜町前駅で降り、ホームに並んでいます。皆さん、定期券は持ってますよね?席を確保して快適な通勤時間を過ごしてください。


 最後に。

 ということで、今回は西尾駅7時20分発普通弥富行きの歴史を見てみました。27年前まで普通新安城行きだった列車が名古屋直通になり、急行に変わったり普通に変わったり変わらなかったり変わったり。面白かったです。

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