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名古屋から蒲郡まで移動しながら
10年前に廃止された鎌谷駅と三河荻原駅を思い出す。
(特急西尾行き編)

(16年12月14日更新)

 かつて西尾線にあった鎌谷駅と三河荻原駅。両駅は平成18年12月15日をもって廃止となりました。早いものでそれから10年が経ちました。そこで、今回は名古屋から西尾線直通列車に乗って蒲郡まで向かいながら、10年前の駅廃止に関連する内容を中心に、当時と現在の様子をご覧いただきたいと思います。現在の西尾線直通列車は急行吉良吉田行きですが、10年前は快速急行西尾行きと特急西尾行き(夕方以降は吉良吉田行き)が交互に運行されていました。今回は特急西尾行きに乗車したいと思います。快速急行西尾行きバージョンはこちらです。ということで、ご覧ください。


 思い出の鎌谷駅と三河荻原駅

 かつて、西尾線には鎌谷駅と三河荻原駅という駅がありました。鎌谷駅は福地-上横須賀駅間、三河荻原駅は上横須賀-吉良吉田駅間にあり、両駅は平成18年12月15日をもって廃止されました。

 当時、名鉄はそれまで小駅には無かった自動券売機や自動改札口の設置を順次進めており、いよいよ西尾線にもその波が訪れようとしていた時期でした。しかし、それと同時に名鉄から『利用者が少なすぎる駅は設置投資するのがもったいないから廃止する』という方針を突きつけられました。

 そして平成18年12月16日、鎌谷駅と三河荻原駅は廃止されました。利用者が少なすぎる駅の判定ラインは日乗降客が300人以下であり、廃止された2駅以外にも西尾口駅と碧海堀内駅(現 堀内公園駅)が当てはまったのですが、西尾口駅は『市街地に位置していない駅』という条件もあったため対象外となり、碧海堀内駅は安城市が費用の一部を負担したことから廃止を免れました。

 時の経つのは早いもので、それから10年が経過しました。そこで、今回は名古屋から西尾線直通列車に乗って蒲郡駅に向かいながら、当時と今の様子をご覧いただきたいと思います。現在の西尾線直通列車は急行吉良吉田行きが30分間隔で運行されていますが、当時は快速急行西尾行きと特急西尾行き(夕方以降は吉良吉田行き)が交互に運行されていました。今回は特急西尾行き編ということで、特急西尾行きに乗車します。それでは、名古屋駅からスタートです!


 まず、名古屋本線を進む。

 名鉄名古屋駅にやって来ました。52分発の急行吉良吉田行きが停車中です。急行吉良吉田行きは豊明にも停車し、夕方以降は新安城から準急になります。鳴海と豊明で普通東岡崎行きに乗り換えができ、終点の吉良吉田で蒲郡行きに接続します。

 そして思い起こして10年前。鎌谷駅と三河荻原駅の廃止前の名鉄名古屋駅を毎時51分に発車する列車は全車特別車の特急西尾行き(夕方以降は吉良吉田行き)でした。写真は名鉄名古屋駅に停車中の特急西尾行きです。特急西尾行きは知立で普通東岡崎行きに乗り換えができ、終点の西尾で蒲郡行きに接続します。

 発車時刻となり、列車は発車しました。今も10年前も西尾線直通列車は名古屋本線をそれなりに走り抜けます。

 今を走る急行吉良吉田行きが、あっという間に新安城駅に到着です。夕方以降(新安城16:52発以降)は新安城から準急に変わります。名鉄名古屋駅を出発して30分が経過しました。ここからは西尾線です。急行吉良吉田行きの停車駅は、南安城、桜井、米津、桜町前、西尾、福地、上横須賀、終点の吉良吉田です。

 そして10年前の新安城駅に特急西尾行きが到着です。名鉄名古屋駅を出発して29分経過しました。特急西尾行きの停車駅は、南安城、碧海桜井、米津、終点の西尾です。


 鎌谷駅と三河荻原駅の廃止後は、その他の駅の整備が待っていた。

 さて、急行吉良吉田行きは急行停車駅の米津駅に到着です。名鉄名古屋駅を出発して43分が経過しました。この駅では名古屋方面の急行とすれ違います。通常は急行佐屋行きが後に到着するのですが、吉良吉田行きが遅れたため佐屋行きが先に到着して入れ替わり発車しました。

 10年前の米津駅は特急停車駅でした。そして特急西尾行き(夕方以降は吉良吉田行き)は米津駅で快速急行佐屋行きとすれ違っていました。特急は名鉄名古屋駅を出発して42分経過しての発車となります。さて、鎌谷駅の三河荻原駅の廃止は自動改札口等の整備のコストが要因ということで、両駅の廃止後は西尾線の各駅が整備されました。米津駅を一例として、その前後を比較してみましょう。

 特急停車駅だった10年前の米津駅には自動改札口も自動券売機もありませんでした。そのため、米津駅からμチケットを持たずに特急列車に乗った場合、車掌さんに料金を払うと用意できる場合は特別に席を指定してもらえました。また、特急列車から降りた場合はホームで車掌さんに切符とμチケットを手渡ししていました。

 そして自動改札口も自動券売機も設置された現在の駅の様子です。鎌谷駅と三河荻原駅の廃止後1年を待たず平成19年の秋に設置され、自動券売機でμチケットが購入できるようになりました。しかし、それもわずかな期間。その後、米津駅は特急停車駅ではなくなり、μチケットは購入できなくなってしまいました。


 廃止されなかった西尾口駅

 続いて西尾口駅を紹介します。西尾口駅は乗客数は少ないものの、市街地に位置するということで廃止対象にならなかった駅です。写真は急行吉良吉田行きが通過する現在の西尾口駅です。名鉄名古屋駅を出発して48分経過しています。

 10年前は特急西尾行きが通過する姿が見えました。名鉄名古屋駅を出発して46分が経過しています。

 さて、廃止を免れた西尾口駅の市街地っぷりをご覧ください。廃止されなくて良かったですね。

 西尾口駅の乗客数の推移はこのようになっております。増加傾向で平成25年度には平成18年度の倍以上まで増加し、平成26年度はさらに増加しています。廃止対象ラインであった300人/日も超えました。ちなみに、平成20年度に乗客が増えている要因としては、平成19年10月に自動改札機が設置されて(トランパス対応は11月)キセル乗車が無くなったからだと思っておりますが、それ以降も増加傾向なのが良いですね。


 西尾駅に到着。そしていよいよ廃止問題に揺れる西尾以南へ!

 そして、急行吉良吉田行きは西尾駅に到着です。名鉄名古屋駅を出発して48分が経過しました。

 10年前の特急西尾行きも西尾に到着です。名鉄名古屋駅を出発して46分が経過しました。この駅が終点で、これより先の吉良吉田方面は普通蒲郡行きに乗り換えになります。ただし、夕方以降は吉良吉田行きとなり、さらに先まで運行されます。特急吉良吉田行きの停車駅は、上横須賀、終点吉良吉田です。

 現在の急行吉良吉田行きは、この先吉良吉田まで各駅停車となります。この先の停車駅は、福地、上横須賀、終点吉良吉田です。

 10年前に運行された西尾駅発の普通蒲郡行きです。普通新安城行きと同じ2番線を使用していました。普通蒲郡行きは、この先、福地、鎌谷、上横須賀、三河荻原、吉良吉田、三河鳥羽の順に終点の蒲郡まで各駅に止まります。それでは、鎌谷駅と三河荻原駅があった西尾以南の区間に進みましょう!


 お待たせしました!10年前に廃止された鎌谷駅の紹介です!

 ということで、お待たせしました。やっと今回の主役である鎌谷駅跡にやってきました。鎌谷駅のあった箇所を急行吉良吉田行きが通過します。停車しないのは、急行だから、ではなく、駅が無いからです。

 しかし10年前には、確かに鎌谷駅がありました。

 鎌谷駅に普通蒲郡行きが到着しました。現在の蒲郡線のワンマンと同じく、1両目の後ろのドアから乗車します。

 そんな鎌谷駅も、平成18年12月15日をもって廃止されました。写真は翌日の平成18年12月16日に撮影したものです。ホームに入れないようフェンスが設置されています。もう入れません。改めて、さよなら鎌谷駅。


 両隣の駅が廃止になった上横須賀駅。

 三河荻原駅の前に、当時、ワンマン運転区間内の特急停車駅であった上横須賀駅を紹介します。現在は特急列車は運行されておらず、上横須賀駅は急行停車駅となっています。急行吉良吉田行きは名鉄名古屋駅を出発して59分が経過して上横須賀駅を発車します。

 10年前、上横須賀駅に到着した普通蒲郡行きです。名鉄名古屋駅を出発して1時間04分経過しました。この蒲郡行きも反対方向の西尾行きも、特急が西尾発着である昼間はこの駅でのすれ違いはありませんが、吉良吉田発着となる夕方以降は半数が特急とすれ違っていました。

 ということで、ワンマン運転区間の駅に到着した特急吉良吉田行きです。先ほどの普通蒲郡行きより11分早く発車します。名鉄名古屋駅を出発して53分で上横須賀駅を発車することになります。

 そして特急吉良吉田行きとすれ違う普通西尾行きを背景に、上横須賀駅の乗客数の推移をご覧ください。廃止された直後だけでなく全体的に増加傾向となっていて、廃止の影響のみではなく上横須賀駅自体が増加傾向にあると読み取れます。


 続いて10年前に廃止された三河荻原駅の紹介です!

 そして、吉良町の方もそうでない方もお待たせしました。三河荻原駅跡にやってきました。三河荻原駅のあった場所は、今は更地になっています。

 しかし10年前、確かに三河荻原駅はありました。

 三河荻原駅に普通蒲郡行きが到着です。この列車はワンマン運転ではないため、全ての扉が開いています。基本的に西尾駅以南であるこの区間はワンマン運転でしたが、現在の蒲郡線と異なり、ワンマン運転ではない列車やワンマン運転区間外に直通する列車も存在していました。

 そして、平成18年12月15日をもって、三河荻原駅は廃止されました。写真は翌日の平成18年12月16日に撮影したものです。ホームに入れないよう、フェンスが設置されました。改めて、さよなら三河荻原駅。


 吉良吉田駅に到着。そして西尾線を離れて蒲郡へと出発します。

 そして皆様、お疲れさまでした。急行吉良吉田行きは終点の吉良吉田駅に到着です。名鉄名古屋駅を出発して1時間3分が経過しました。

 この先蒲郡方面へ向かうには、のりかえ改札口を通って2番線ホームに移動し、普通蒲郡行きに乗車します。この先の蒲郡線は自動改札口等の整備がされていません。そのため、のりかえ改札口が設置され、manaca利用者はここで清算します。のりかえ改札口は西尾線と蒲郡線の境界線。鎌谷駅と三河荻原駅が廃止されて他の駅が整備された西尾線と、廃止された駅は無いけど路線として運行ダイヤや設備の面で孤立してしまった蒲郡線。のりかえ改札口はそんな境界線になるのでしょう。

 のりかえ改札口を通ると、そこは蒲郡行きの専用ホームである2番線です。

 さて、10年前の蒲郡行きです。10年前であればのりかえ改札口は存在せず、蒲郡行きは西尾線から蒲郡線へと直通運転していました。


 そして、自動改札口の無い蒲郡線の駅を進む。

 蒲郡線は自動改札口が無く、今も10年前と変わらない景色を見ることができます。写真は西幡豆駅です。乗客数は10年前から横ばいです。

 こどもの国駅は階段を上ってホームの券売機で乗車券を購入する形です。乗客数はご覧の通りです。頑張れ。

 形原駅は微妙に減少傾向のようです。ちなみに、H18,H19のグラフは年間乗客数が記載された愛知県統計年鑑を参考に『西尾蒲郡線対策委員会』の資料と比較して補正した概算値なので数値の表記は止めました。

 そして、各駅に停車した普通蒲郡行きは、あーーーーーーっという間に蒲郡駅に到着しました。名鉄名古屋駅を発車して1時間39分が経過しました。折り返し吉良吉田行きになります。

 10年前も同じく、あーーーーーーっという間に蒲郡駅に到着です。10年前は折り返し西尾行きになります。

 自動改札の無い蒲郡駅の改札口を通り、この旅は終了です。ということで、今回は名古屋から蒲郡に移動しつつ、10年前の鎌谷駅と三河荻原駅の廃止についてお届けしました。もう、さすがに、西尾以南も含めて西尾線の駅の廃止は無いものと思っているんですけどね。果たして、西尾線の未来はいかに!ということで、最後まで読んでいただきありがとうごさいました。

 ちなみに、快速急行西尾行きバージョンはこちらです。

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