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西尾駅→JR岡崎駅 鉄道vsバス
(2017年7月3日更新)

 昔々、西尾駅とJRの岡崎駅とを結ぶ鉄道がありました。それは西尾鉄道であり、晩年には名鉄西尾線と名乗っていた路線です。この路線は昭和18年12月に休止となり、戦後、一部区間は復活したものの昭和37年には全区間で廃止され、現在は名鉄東部交通の路線バスが運行されています。現存する鉄道で西尾駅から岡崎駅へ向かう場合は、西尾線の南安城駅か北安城駅からJRの安城駅まで徒歩またはコミュニティバスで向かい、安城駅からJR東海道本線で岡崎駅に移動となります。さて、どちらのルートが良いのでしょうか。今回は西尾駅からJRの岡崎駅まで、バスルートと鉄道ルートとを比較します。また、バスルートのコメントの中で、廃止された旧西尾線の駅にも触れたいと思います。参考文献は西尾鉄道開業100年よもやま話(西尾鉄道開業100年記念誌刊行会)とwikipediaです。それでは、ご覧ください。


 ルートの説明と西尾鉄道について

 西尾に初めて鉄道がやって来たのは明治44年で、西尾駅と岡崎新駅とを結ぶ軽便鉄道でした。岡崎新駅は今のJR岡崎駅の東に隣接する位置にあり、西尾駅は今と別の位置にありました。左図は西尾駅が現在の位置に移転した昭和3年10月の路線図です。その後、昭和10年に合併により愛知電気鉄道から名古屋鉄道に社名が変わり『名鉄西尾線』となります。当時の西尾線は安城ではなく岡崎に向かう路線だったんですね。今後、この路線を旧西尾線と称します。

 旧西尾線の西尾-岡崎新間は、金属の不足を補うために指定された不要不急路線として昭和18年に休止となり、戦後に一部区間が復活したものの、昭和37年には全区間が廃止されて現在に至っています。今、西尾駅からJR岡崎駅まで公共交通機関で向かうには、鉄道とバス、2つのルートが考えられますが、今回は、その2つのルートを比較したいと思います。

 鉄道ルートは名鉄西尾線とJR東海道本線を進むルートです。西尾線の南安城駅または北安城駅からJRの安城駅までは徒歩かコミュニティバスで移動します。列車のダイヤは西尾駅を毎時01分31分に発車する急行と毎時11分41分に発車する普通列車の2パターンありますが、事前に確認すると毎時01分31分発の急行のほうが所要時間が短かったため、西尾駅から急行に乗って南安城駅に向かい、南安城駅から安城駅に移動することにします。この区間はコミュニティバスも運行されていますが、35分から55分の不等間隔で運行されており、今回は接続が良くなかったのため徒歩で移動します。

 バスルートは名鉄東部交通が運行する路線バスに乗車します。名鉄バスではないので、manacaは使えません。経路は2つあり、廃止された旧西尾線と似たルートを通る西尾駅発岡崎駅西口行きが1時間から2時間に1本、旧西尾線とは別ルートを通る西尾駅発岡崎駅西口経由の東岡崎行きが毎時1本運行されています。西尾駅から岡崎駅西口までの所要時間はどちらも同じですが、廃止された旧西尾線の駅についても触れられるよう、岡崎駅西口行きに乗車したいと思います。

 それでは、鉄道ルート、バスルートともに西尾駅からスタートです。


 鉄道もバスも、西尾駅をスタート!

 鉄道ルートは毎時01分31分発の急行に乗車します。今回は12時01分発の急行弥富行きです。

 発車時刻になり、急行弥富行きは西尾駅を発車しました。この列車に南安城駅まで乗車します。

 バスルートは西尾駅3番のりばから14時40分発の岡崎駅西口行きに乗車します。

 発車時刻になり、バスが発車しました。撮影時刻を確認すると、どうやら1分遅れて発車したようです。発車が遅れたのは発車前に私が運転手さんから回数券を買ってたからかもしれません。申し訳ないです。


 鉄道は西尾口駅を通過、バスは西尾口駅に停車。

 西尾駅を発車して1分。急行弥富行きは西尾口駅を通過。

 西尾駅を発車して2分弱。急行弥富行きは桜町前駅に到着。

 西尾駅を発車して4分。急行弥富行きは米津駅に到着。この駅で急行吉良吉田行きとすれ違います。

 そしてバスルートは西尾駅を発車して6分が経過し、西尾口駅に到着です。西尾口駅は、昭和3年10月、西尾駅を目指して米津駅から延伸してきた碧海電気鉄道(現西尾線)への乗り換え駅として仮駅が設置され、旧西尾線の電化・改軌工事が完了した昭和4年4月に廃止されました。しかし昭和5年4月に再度開業し、現在に至っています。

 バスは岡崎駅西口に向かって走ります。旧西尾線の次の駅は、久麻久(くまく)です。


 鉄道は安城市内、バスは西尾市内を走る。

 西尾駅を発車して8分。急行弥富行きは桜井駅に到着です。複線区間を走ってきましたが、複線区間もこの駅も、すれ違いはありません。

 西尾駅を発車して11分。バスは西尾市民病院に到着です。旧西尾線の久麻久駅に近いバス停になります。西尾市のコミュニティバスである六万石くるりんバスの停留所もありますが、西尾駅発か西尾駅行きなので、『戻ってどうする』または『じゃあ最初から乗れよ』となるため、このバスから乗り換える人は居ないと思います。さて、旧西尾線の次の駅は、八ツ面(やつおもて)です。

 そして、西尾駅を発車して12分。急行弥富行きは南安城駅に到着しました。写真は13分後に撮影した急行弥富行きです。この駅で下車し、西尾線とはサヨナラです。南安城駅からは徒歩でJRの安城駅に向かいます。

 西尾駅を発車して13分。バスは八ツ面北に到着です。旧西尾線の八ツ面駅は、八ツ面山の南側、つまりこのバス停から山を越えて反対側にあったようです。山と言っても標高67mだし、登らなくても麓を廻って行けば、すぐの距離なんですけどね。旧西尾線の次の駅は三江島です。ここからバスは一旦旧西尾線から離れ、総合体育館西尾東高校前を経由する別ルートで三江島駅に近い三和小学校に向かいます。


 鉄道ルートが安城市内を徒歩で移動する中、バスは西尾市を抜けて岡崎市に突入。

 さて、鉄道ルートはここから安城市内を歩きます。『歩く』と書きましたが、JRの安城駅から乗りたい列車は12時28分発の快速列車で、残り時間は13分。南安城駅から安城駅までの所要時間は概ね15分なので、もはや時間はありません。安城市のコミュニティバス『あんくるバス』も運行されていますが、残念ながら次のバスは12時29分発なので安城駅28分発の快速列車には間に合いません。仕方ないので徒歩で先を急ぎましょう。

 西尾駅を発車して21分。バスは三和小学校前に到着です。かつては三和小学校の反対側(南側)に旧西尾線が通っており、近くに三江島駅があったようです。旧西尾線の次の駅は、中島です。

 西尾駅を発車して27分。バスは西尾市を抜け岡崎市に突入し、中島に到着です。旧西尾線の中島駅がここにありました。中島駅は昭和18年11月1日に駅名が三河中島駅に変わったようですが、その1ヶ月半後の昭和18年12月16日に不要不急路線として休止となっています。旧西尾線の休止が決まったのはいつなんでしょうね。急に決まってあっという間に休止になったのかもしれません。バスは岡崎市内を北上します。旧西尾線の次の駅は、土呂(とろ)です。

 西尾駅を出発して24分。鉄道ルートは安城市内を徒歩で移動し、安城駅に到着しました。あとは、JRの快速列車で、岡崎駅までビュン!です。でも発車時刻が迫ってます。あと3分です。急ぎましょう。


 鉄道もバスも、岡崎駅に到着です!

 西尾駅を出発して26分。安城駅に快速豊橋行きがやって来ました。間に合いました。ホッと一安心です。早速、乗り込みましょう。JRの快速に乗って、ビュン!と岡崎へ!

 ビュン。ということで、西尾駅を出発して32分。鉄道ルートは岡崎駅に到着です!さすがJR。速いです。鉄道ルートで来た皆さん、お疲れさまでした。

 西尾駅を発車して36分。バスは福岡郵便局前に到着です。西側に流れる砂川を越えた場所に、旧西尾線の土呂駅がありました。昭和18年の休止後、昭和26年に駅名を土呂から福岡町に変えて岡崎新駅まで復活しましたが、それも昭和37年に廃止されました。バスはさらに北へ、旧西尾線の次の駅は終点の岡崎新駅です!

 そしてバスルートも岡崎駅西口に到着です!定刻より4分遅れ、西尾駅を発車して40分が経過しました。ちなみに、バスは西口に到着しましたが、旧西尾線は途中でJR線をくぐり、岡崎駅の東側に岡崎新駅がありました。ということで、バスルートで来た皆さん、お疲れさまでした。


 まとめ

 改めて、所要時間の比較をします。鉄道ルートは32分、バスルートは40分となりました。ということで、所要時間は鉄道の勝利です!バスルートの所要時間は道の混雑状況に影響するものだと思いますが、今回は特に渋滞はなかったものの、結果的に4分遅れてしまいました。

 ちなみに、鉄道ルートは今回のように01分31分発の急行に乗った場合、安城市内の徒歩の移動がギリギリで、もし安城駅で快速列車に乗り遅れると後の普通列車に乗車することになります。その場合、所要時間は41分で、今回のバスとほぼ同じになります。さらに運悪く04分発の普通列車が無い時間帯に58分発の快速に乗り遅れると11分発の新快速まで待つことになり、所要時間は45分でバスより時間がかかるようになります。ちなみに、西尾駅毎時11分41分の普通列車からスタートすると、安城駅に近い北安城駅から移動でき、乗り換え時間に余裕をもって36分で岡崎駅に到着します。

 続いて、運賃は左の通りです。鉄道ルートは名鉄が350円、JRが200円で合計550円。安城市内であんくるバスを使った場合は100円の追加です。バスルートは西尾駅から岡崎駅西口まで680円。よって、鉄道のほうが130円または30円安く、鉄道の勝利です!

 ということなのですが、バスの運賃は停車中に運転手さんから回数券を買うと安くなります。回数券は区間ではなく金額の回数券で、特に平日の10時から16時に降車する場合と休日の終日に使える昼間回数券の50円13枚綴り(500円で650円分)を使うと530円となり、逆転します。

 そして、利便性ということで、乗り換え回数と運行頻度は、左の通りです。徒歩区間なしで乗り換え不要のバス、1時間に4本確保されている鉄道。どちらに魅力を感じますか?総合的にみると、一長一短、短所も致命的な感じはしないので、特徴を理解した上で好きな方を選択すれば良いと思います。このネタが、少しでもお役に立てたら光栄です。

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