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乗客数の方向別割合を確認しながら福地駅へ向かう。
(14年9月20日更新)
 『都市交通年報』という本があります。これは、一般財団法人運輸政策研究機構から発行されたもので、首都圏、中京圏、京阪神圏の交通に関するデータが掲載されています。名鉄の駅は当然ながら中京圏に含まれるわけですが、中京交通圏は名古屋駅を中心に概ね半径40kmの範囲内の行政区域にある駅が対象となっており、安城市と旧西尾市は圏内で旧幡豆郡吉良町は圏外です。よって、西尾線の駅は新安城駅から福地駅までのデータが掲載されています。
 今回は、都市交通年報に掲載されたデータを用いて名古屋本線・堀田駅から西尾線・福地駅までの各駅について乗客数の方向別割合を算出してみました。その駅の改札を入った乗客の何%が名古屋方面へ向かい、何%が反対方面へ向かうのでしょうか。基本的には名古屋方面に向けて乗車する人が多いとは思いますが、果たしてどうなのでしょうか。
 それでは、ご覧ください。

 まずは福地駅のデータを紹介します。

 今回は乗客数の方向別割合を確認したいと思います。

 ということで、西尾線の福地駅にやってきました。福地駅のデータを用いて今回使用するデータについて説明したいと思います。

 データソースは平成23年版都市交通年報で、データは平成21年度です。平成25年4月に刊行された平成21年度のデータを掲載した平成23年版ということで、何が何だかよく分かりませんが、それはそれとして。

 さて、『都市交通年報』には方向別そして定期・定期以外の別で乗車人数、下車人数、通過人数が記載されています。例えば福地駅の名古屋方面のデータは左の図のとおりです。吉良吉田・上横須賀方面から来た列車から福地駅で降りて下車する人数は、定期券を使用しない人が年間6,752人、定期券を使用している人が年間2,580人です。そして福地駅から乗車する人で定期券を使用しない人が年間22,470人、定期券を使用する人が年間117,630人で、福地駅発車時点で列車内には定期以外の人が年間198,239人、定期の人が年間741,450人乗車していることが分かります。

 そして、吉良吉田方面は左図のとおりです。定期券利用の人数は、先ほどの名古屋方面と乗降逆になった数値が記載されています。これは、定期券利用の人は必ず往復するとみなされているためです。福地駅から定期券で乗った人は、必ず福地駅に戻ってくるということで。

 さて、今回は方向別乗客数に着目し、その割合を算出します。乗客数は定期券利用の人数と定期以外の人数の合計値とします。福地駅の場合、96%の乗客が新安城・名古屋方面に向かい、吉良吉田・蒲郡方面に向かう乗客はたった4%しか居ないという結果となりました。福地駅から吉良吉田・蒲郡方面へ行く人はとても少ないようです。寂しい限りですよ、蒲郡線。
 

 堀田駅から全体の傾向を確認します。

 ところ変わって名古屋本線の堀田駅にやってきました。今回は名古屋方面とその反対方向の乗客数の方向別割合を扱うということで、『名古屋・金山・神宮前』という名古屋のターミナル駅を過ぎた堀田駅から西尾線の福地駅までの各駅の結果を紹介します。福地駅までの理由は、先ほど書いたとおり、データが福地駅までしか掲載されていないためです。

 ここで、全体的な傾向を確認しましょう。名古屋本線・堀田駅から牛田駅までの各駅の乗客数の合計値を用いて方向別割合を算出すると、72%が名古屋方面、28%が西尾・岡崎・豊橋方面という結果となりました。

 ちなみに、写真に写っている列車は2両編成の普通東岡崎行きです。短いですね。

 そして、西尾線の北安城駅から福地駅までの乗客数を合計して方向別割合を算出すると、83%が新安城・名古屋・岡崎・豊橋方面で、17%が吉良吉田方面という結果となり、名古屋本線の駅よりも名古屋方面に向かう人の割合が11ポイント高くなりました。西尾線は名古屋・岡崎・豊橋の全てが新安城方面であるため、名古屋本線よりも方向別に乗客数が偏るようです。こういう偏りが大きいと、通勤時に一方は満員で他方は空気輸送になる傾向が強くなるため、非効率になります。

 ちなみに、写真に写ってる列車は2両編成の普通岩倉行きです。短いですね。

 そうこうしてるうちに、堀田駅に急行吉良吉田行きの到着です。2両編成の列車を2本連結した4両編成です。長いですね。

 ということで、急行吉良吉田行きに乗車して福地駅に向かいつつ、各駅の方向別乗客数の割合を確認していきましょう。
 

 名古屋本線・堀田から本星崎

 まずは堀田駅から本星崎駅の結果をご覧いただきましょう。写真に写っている駅(ここでは堀田駅)は目立つ色付きのグラフで表示します。

 名古屋方面に行く乗客の割合が概ね60%台後半から70%台前半というところですが、呼続駅は名古屋方面の割合が80%と比較的高くなっています。逆に名古屋方面の割合が最も低いのは、わずかな差ですが桜駅でした。名古屋駅まで直通する地下鉄桜通線の駅が近いというのも要因としてあるのかもしれません。

 急行吉良吉田行きは呼続駅を通過します。

 そして桜駅も通過します。
 

 名古屋本線・鳴海から前後

 続いて鳴海駅から前後駅です。左京山駅と有松駅が名古屋方面へ向かう乗客の割合が高いようです。それぞれ鳴海高校、名古屋情報専門学校の最寄り駅のようですが、小駅ほど学校の影響は大きくなります。鳴海高校のサイトを見てみると8割くらいの生徒が名古屋市内から通っているようなので、左京山駅は鳴海高校の影響が大きいのかなと推測しております。有松駅は左京山駅より乗客が多く、名古屋情報専門学校のサイトを見ても生徒がどこから通っているのか情報は掲載されていないため、その影響は推測すらできませんでしたが、名古屋情報専門学校は『自信と笑顔が自然と生まれる、そんな学校を目指している』ということは分かりました。

 ということで、急行吉良吉田行きは左京山駅を通過。

 そして有松駅も通過。
 

 名古屋本線・豊明から牛田

 続いて豊明駅から牛田駅です。富士松駅と一ツ木駅をみると名古屋方面が54%、44%となっており、他の駅と比較すると突出して低くなっています。特に一ツ木駅は半数以上が名古屋と反対方向の列車に乗車しているという結果となりました。豊明駅と富士松駅の間に尾張と三河の境があるため、通学利用の人が名古屋と反対方向に向かうのかなとも思ったり、名古屋方面に向かう人が知立駅で折り返して特急に乗ってるのかなとも思ったりしましたが、全て推測です。

 その知立駅は乗客の70%が名古屋方面に向かうようです。この数字は三河線から乗り換えた客は含まれていませんが、一ツ木駅から知立駅まで来て、折り返し知立駅からの乗客と化した場合は含まれるかと思います。

 ということで、急行吉良吉田行きは一ツ木駅を通過します。

 そして、知立駅に到着します。折り返し普通列車に乗車する方がいましたら、乗り換えとなります。普通犬山行きは14時49分の発車です。
 

 新安城

 続いて新安城駅のデータを紹介します。まずは西尾線を無視し、これまでの駅と同様に名古屋方面と東岡崎・豊橋方面とを比較したデータは左のとおりです。75%の人が名古屋方面に向かうということで、これまでの駅の標準的な数値かと思います。

 そして、西尾線に向かう人も含めると、このような割合になります。西尾線へ向かう人は全体の9%です。この数字はあくまでも新安城駅の改札を入って乗車した人の割合となります。続いて、列車に乗る人の数ということで乗りかえ客も含めて割合を算出してみました。

 ということで、乗りかえ客も含めると、左図のようになります。パーセントの数字を全て足すと100%になるはずですが、四捨五入の関係で99%になります。名古屋方面から岡崎方面、岡崎方面から名古屋方面の客は名古屋本線直通ということで対象外としましたが、実際は牛田駅、宇頭駅、矢作橋駅、岡崎公園前駅などの普通停車駅の利用者が普通列車と優等列車の乗換えをしています。

 名古屋方面の列車に乗るのは新安城駅の乗客よりも西尾線から乗り換える人の方が多いようです。西尾線の列車に至っては、ほとんどが名古屋本線からの乗換え客なんですね。

 さて、ここから先は西尾線です。一駅ずつ状況を確認しつつ、福地駅に向かって進みましょう。
 

 そして、西尾線へ。福地駅まで。

 急行吉良吉田行きは新安城駅を出発して西尾線を進みます。新安城駅の次は北安城駅です。西尾線全体の割合は名古屋方面83%吉良吉田方面17%でしたが、北安城駅と次の南安城駅は吉良吉田方面が30%を超えて高い値となっています。その要因のひとつとして考えられるのは安城学園や安城東高校などの高校の存在で、碧海古井以南の駅から通学している生徒が帰りに北安城駅や南安城駅から吉良吉田方面の列車に乗車しています。別の要因としては、西尾方面に住む人で刈谷や大府に通勤する人がJRを利用しており、南安城駅や北安城駅とJR安城駅間を徒歩で移動していることが挙げられますが、高校の存在も含め、どの程度影響しているのかは不明です。

 急行吉良吉田行きは南安城駅に到着しました。JR安城駅は北安城駅からは徒歩10分程度、南安城駅からは徒歩15分程度です。北安城駅のほうが近いですが、特急停車駅の南安城駅のほうが列車本数も多く便利です。また、勤務先によっては西尾方面に近い南安城までの定期代しかもらえない場合もあるかもしれません。

 南安城駅を出発すると、次は碧海古井駅を通過します。

 碧海古井駅は名古屋方面84%吉良吉田方面16%ということで、西尾線の平均に近い数字となっています。そんな碧海古井駅は通過します。急行なので。

 続いて堀内公園駅です。堀内公園駅も名古屋方面81%吉良吉田方面19%ということで、碧海古井駅と同じく西尾線の平均に近い数字となっています。そんな堀内公園駅も通過します。急行なので。

 急行吉良吉田行きは桜井駅に到着しました。桜井駅は名古屋方面90%吉良吉田方面10%ということで、名古屋方面に向かう人の割合が高めな駅という結果となりました。安城南部に位置し、南を向くと西尾市が見える桜井の人は、あまり西尾・蒲郡方面に行かないようです。桜井の人が西尾に背を向けて安城市街の方向をみている風景が頭に浮かびます。

 桜井駅を出発すると、次は南桜井駅を通過します。

 南桜井駅は名古屋方面87%吉良吉田方面13%ということで桜井駅よりは西尾線の平均に近づいています。急行吉良吉田行きは、そんな南桜井駅を通過します。急行なので。

 急行吉良吉田行きは西尾市内に突入しました。西尾市最初の駅は米津駅です。米津駅は名古屋方面85%吉良吉田方面15%ということで、西尾線の平均に近い数字となっています。

 続いて桜町前駅です。桜町前駅は名古屋方面75%吉良吉田方面25%で他の西尾線の駅より吉良吉田方面が高い割合となっています。この要因は、西尾高校の存在が大きいと思います。最近の状況をしっかり把握しているわけではないのですが、西尾高校は蒲郡・幡豆方面から通う生徒も少なくはないと思います。桜町前駅は蒲郡線とのつながりが他の西尾線の駅よりも大きいとも言えるのではないでしょうか。ちなみに勝手な推測ですが、もし蒲郡線が廃止になったら、幡豆・蒲郡方面から西尾高校に通う生徒が減り、西尾高校の倍率が下がり、偏差値も下がってしまうようなストーリが頭をよぎります。蒲郡線の存続は、西尾高校のためでもあるのかなと思う今日この頃です。

 そして西尾口駅です。名古屋方面89%吉良吉田方面11%ということで、桜井駅に一歩及ばず、名古屋方面が高めな結果となりました。急行吉良吉田行きは、そんな西尾口駅を通過します。急行なので。

 西尾駅に到着しました。西尾駅は西尾口駅と同じ名古屋方面89%吉良吉田方面11%です。これまでの西尾線内の駅では、吉良吉田方面へ向かう人の目的地が西尾駅という場合もありましたが、西尾駅では完全に西尾以南の各駅で、吉良吉田・蒲郡方面になります。西尾駅から乗車する人の9割が新安城方面の列車に乗って、1割が吉良吉田方面の列車に乗っているんですね。

 西尾駅を出ると、次は福地駅に止まります。

 そして、急行吉良吉田行きは福地駅に到着です。今回の旅の目的地です。この駅で下車します。福地駅は最初にお伝えしたとおり、名古屋方面96%吉良吉田方面4%でした。これまで見てきた駅の中でも群を抜いて名古屋方面の割合が高い駅ということになります。平成20年から名古屋直通急行が西尾駅始発から吉良吉田駅始発に変わりましたが、それ以来、西尾駅よりも先に名古屋直通列車に乗れて座れる駅になりました。西尾市南部から西尾線を利用する人が西尾駅ではなく福地駅から乗車するようになったという話も聞きました。実際、乗客数のデータを見ると、ここ数年の福地駅の乗客数は素晴らしいほど伸びています。きっと、福地駅の未来は明るい。
 

 福地駅に到着しました。

 ということで、今回は堀田駅から福地駅までという中途半端な旅をしつつ、乗客数の方向別割合を確認してみました。各駅、いろいろ特徴がありました。一番驚いたのは福地駅の結果なんですけどね。まさか、そこまで吉良吉田方面の乗客数の割合が低いとは思いもしませんでした。

 今回はこれまでになく、想像や推測の文章が多くなってしましました。まぁ、それを踏まえて読んでもらえれば良いかなと思います。データは明確ですのでご安心を。各駅の特徴で、何か別の要因をご存じの方がいらっしゃいましたら、ご指摘いただけるとありがたいです。

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